5.なぜWebシステムなのか コンピュータシステムの歴史をカンタンに振り返ってみると、メインフレームなどの大型コンピュータシステムが1960年代から稼動しているわけですが、1980年代後半からオープン系のクライアントサーバ型と呼ばれるシステムが急速に発達しました。 メインフレームなどのホスト系コンピュータでは他社製の機種とは通信できない独自のネットワーク手順を使ったり、独自の文字コードを使うなどの面がありますので、メーカの異なる機種同士でデータを交換することはとってもたいへんだったのです。 それに比べて、UNIXやWindowsといった基本ソフトが稼動する小型のコンピュータのシステムでは、業界で標準化され仕様が公開されたプロトコル体系や文字コード体系により、メーカの異なるコンピュータ同士でのデータ交換性が飛躍的に高まっていきました。この特質から、このころ登場したコンピュータシステムをオープン系システムと呼びました。 しかし、Webシステムが出現するまでのオープン系システムには次のような問題がつきまとっていました。 ・コンピュータハードウェアを制御する基本ソフト(OS・オペレーティングシステム)の版(バージョン)が変わると、その上で動作するソフトウェアが処理する基本ソフトへの命令の一部が使えなくなることがあり、新しい版(バージョン)の基本ソフトに対応させてソフトウェアを書き換えなければならない必要がたびたび生じた。 ・Webシステムでないシステムは個々のコンピュータにソフトウェアを格納する必要があり、基本ソフトの版改定に対応したソフトウェアの新しい版をその都度入れなおさなくてはならなかった。これは台数の多い企業では深刻な問題であった。 ・基本的に社内のネットワークでしか利用できなかった。(ネットワークの通信速度が今ほど速くないためもあって) などです。
ところが、1990年代の中ごろより登場したWebシステムは ・Webブラウザと呼ばれるホームページ閲覧ソフトウェアの閲覧機能の範囲で業務機能を使用する関係で個々のコンピュータに独自の業務ソフトをしっかり入れる必要が少なくなった。 ・OSがバージョンアップしてもブラウザがその機能の差異を吸収するのでそのまま使える場合が多かった。
(ネットスケープのようにブラウザ自体のバージョンがあがると仕様が変わって従来のプログラムが使えなくなるという例もあるのでどんな場合でも完全に使えるというわけではない。) ・当時の低速なインターネットを介して通信しても遠隔地のサーバと通信して業務システムを構成することができたので、企業内システムだけでなく、企業間取引の連携システムとして実用的にかつ安価に運用できた。
(これはホームページを閲覧する基本的なしくみによるもので、ブラウザが処理を要求するとホームページサーバがテキストベースのファイルを返信してブラウザの画面を変化させて、ブラウザの画面がそのままの間はサーバとは基本的になにも通信しないという特性のおかげでした。) といった特徴を備えたコンピュータシステムです。これもオープン系システムの上に成り立つシステムのひとつでありますが、従来のオープン系システムをクライアントサーバ型システムと呼び、Webシステムと区別する場合があります。 ホームページ閲覧のしくみで画面が構成されるため、基本ソフトの上にみっちり作りこまれた従来のオープン系システムに比べて、細かいキー操作ができないなどのデメリットもありましたが、上記のメリットのが大きいため飛躍的に利用されるにいたったのです。
なんといってもインターネットを使って国内どころか海外の企業とも瞬時に連絡がとれるという面はビジネスに活用しない手はありませんでした。従来の超高額な維持費のかかった専用線接続(契約された地点同士以外は通信しない)に変わって、どこへでもデータは巡回してしまうけれども、とっても安価なインターネットを、暗号化して使うという方法が進展しました。今日、128ビットSSL(セキュアソケットレイヤー)による暗号化は一般的になっていますので、セキュリティ策を適切に講じてある環境(データセンター)で適切にサーバが運用されれば、インターネットは企業の競争力を強化するのです。
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