事態を重視したO社の購買管理部長は社長の了解を得たうえで、調達購買プロセスの見直しを行うプロジェクトを発足させました。
プロジェクトでは大きくは次の4点を必達課題としました。
(1).自社内の価格確認業務フローを見直し、価格承認フローを含めて取引先からの見積回答確認を電子フロー化する。 (2).取引先からの見積回答は紙やFAXではなく電子的に回収する。 (3).購買担当者の単価確認(再交渉)後、承認者による電子承認を行い、その後に基幹購買管理システムへ単価情報を自動反映できるしくみを実現する。(再入力などが無いように必ずする。) (4).補充書面(確定単価記載の注文書)を速やかに発行する。
プロジェクトではまず、単価未決定品の確定フローの全面的な見直しを検討しました。
まず、自社内購買管理部内での単価承認フローを見直し、電子化することにします。しかし、社内部分の電子化だけではなく、単価関連のフローとして取引先の見積回答側も含めて電子化することにしました。 これらの課題を解決するためには、インターネットを利用したWebEDIが必要必須との認識から、それを導入していく基本方針がプロジェクトで採用されました。
O社の場合、見積依頼はほぼ製作依頼を意味する運用であるため、見積依頼時に当初書面として単価未決定理由をコード化し、納期を決定予定期日として記載した製作依頼兼見積照会書をWebEDIで発行できるようにしました。
これにより、取引先からの見積回答も電子的に回収できるしくみを用意することにしました。
実際の回答情報を回収できるしくみとしては次の2つを用意しました。 ひとつはブラウザ回答画面からの単価回答の入力、
もうひとつは単価ファイルのアップロードによる一括登録です。
これはどういうことかといいますと、単価確認用のテキストファイルをブラウザ画面からCSVファイルでダウンロードできるようにしておきます。 ダウンロードしたCSVファイルはEXCELで開きます。Excelで単価を入力し、それをCSVファイルで出力します。 それをブラウザ画面からアップロードして一括して単価を回答できるようにしたのです。
購買担当者は、回答価格確認画面で価格の調整依頼を取引先に行います。購買担当者レベルでの確定後、そのまま購買部門上長に承認依頼を行います。
上長の承認・決裁もWebEDIシステム上で行なえるようにしました。
上長の決裁後には確定した価格単価データを電子データのまま購買システムに自動反映される仕組みを導入することにしました。 その後、確定単価価格が記載された注文書である補充書面をWebEDIで発行するという流れにしました。
この(1)の点で重要なのは、社内の単価承認フローを電子化するだけではなく、取引先からの回答入手や調整活動もそのフローの一部に組み入れ、取引先でも情報を更新して社内でも再入力してという情報の転記作業の無駄や転記ミスによる不一致をなくしたことです。 (3)と(4)の点でも、単価見積依頼・回答確認・督促・再交渉・回答単価の上長承認・基幹購買システムへの単価反映・補充書面発行を電子的にスルーできるようにしたため、単価確認工数は激減し単価決定・督促の手作業の負担業務を廃止することができました。 また、(2)の点で、実際に価格決定を取引先の方で後回しとしないように、購買管理部側でも督促や確認漏れ排除のチェックを支援する機能を充実させました。それは次のようなことです。 例えば、発注者側のメニューに単価未決定件数をアンカー表示し、一定期日到来の単価未決定品は自動的に別途件数アンカーを表示しました。そのアンカーをクリックするとどの取引先のどの発注案件であるかが即座にわかるようになりました。 また、その別途件数の案件には自動的に督促が取引先へ通知されるしくみを導入しました。 通知はメールとメニューへのアンカー通知です。
さらに、発注者の承認者メニューにも単価未決定件数を表示し、一定の期日到来の単価未決定品は別途件数を表示しました。(最終的なデッドラインよりも余裕を持たせます。)
何もされないまま請求日が到来することがないように承認者(管理者)が気づくしくみをつくりましたので、請求日到来の単価未決定品を根絶することに成功しました。
このように、O社の購買管理部門ではWebEDIを社内承認フローまでシームレスに導入したことにより、個々の購買担当者の負担業務を削減・廃止して効率をアップし、かつ、取引先への価格記載書面発行義務も滞りなく行えるような体制に転換できた好事例と言えます。 
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